香港のマンション間取り図鑑!狭さを克服する驚きの工夫と物件選びのコツ
世界で最も不動産価格が高い都市のひとつ、香港。限られた土地に高層ビルが密集するこの街では、住居の「間取り」に独特の文化と工夫が凝縮されています。
「香港のマンションは狭いと聞くけれど、実際はどうなの?」「家賃に対して間取りが見合っていない気がする」「効率的なレイアウトの見分け方は?」といった疑問や悩みは、香港への移住や駐在を控えた方、あるいは現地の不動産投資を考える方にとって切実な問題です。
この記事では、香港特有の平米数(スクエアフィート)の考え方から、代表的な間取りパターン、そして狭い空間を広く見せる香港流の住まい術までを徹底解説します。
1. 香港のマンション面積「スクエアフィート」の落とし穴
香港で物件を探す際、まず驚くのが「平方メートル($m^2$)」ではなく「平方フィート(sq.ft.)」という単位が主流であることです。
面積換算の目安
100 sq.ft. $\approx$ 9.3 $m^2$(約5.7畳)
500 sq.ft. $\approx$ 46.5 $m^2$(日本の一般的な1LDK〜2DK程度)
ここで注意が必要なのが、**「実用面積(Saleable Area)」**という概念です。かつては共有スペース(ロビーやエレベーターホール)を含めた「建築面積」で表記されていましたが、現在は実際に住むスペースの広さを示す実用面積での表記が義務付けられています。それでも、日本の住宅に比べると柱の出っ張りや窓のサッシが厚く、数字よりも狭く感じることが多々あります。
2. 香港マンションの代表的な間取りパターン
香港のマンションは、築年数やグレードによって特徴的なレイアウトが存在します。
① スタジオタイプ(開放式単位)
日本のワンルームに近い形式です。近年の新築マンション(ナノ・フラット)に多く、200〜300 sq.ft.程度。
特徴: キッチンが壁付けの「オープンキッチン」であることが多く、バルコニーが付いているのが一般的です。
② 2ベッドルーム(両房)
香港で最もポピュラーなファミリー向けの間取りです。450〜600 sq.ft.程度。
特徴: リビングを中心に、左右に個室が配置される「ダイヤモンド型」のリビングや、廊下を最小限にした効率的な配置が見られます。
③ 3ベッドルーム+メイドルーム(三房一套連工人房)
高級物件や郊外のファミリー向け大型マンションに見られる間取りです。
メイドルーム(工人房): 香港特有の間取りで、住み込みのヘルパーさんのための小さな個室(通常1〜2畳程度)と専用トイレがキッチン脇に備わっています。
3. ここが変だよ香港の間取り!知っておくべき3つの特徴
日本の住宅に慣れていると驚くような、香港ならではの構造があります。
| 特徴 | 詳細と注意点 |
| 窓台(ウィンドウ・シル) | 窓際に30〜50cmほどの深い出っ張りがある物件が多いです。税法上の理由で以前多く作られましたが、現在はここにクッションを置いてソファ代わりにしたり、棚として活用するのが香港流です。 |
| 洗濯機の位置 | キッチンの中に洗濯機が組み込まれているのが標準です。脱衣所という概念がないため、風呂場の外(キッチン)で服を脱いで洗うスタイルになります。 |
| シャワーとトイレの距離 | 築古の安価な物件では、トイレのすぐ横にシャワーヘッドがあり、仕切りがない「びしょ濡れスタイル」もあります。新築では独立したシャワーブースが一般的です。 |
4. 狭い間取りを攻略する「空間活用術」
香港の人々は、限られたスペースを最大限に活用する達人です。物件選びや入居後の工夫として役立つアイデアを紹介します。
「地台(レイズドフロア)」の設置: 床全体を30cmほど底上げし、床下すべてを収納スペースにするリフォームが非常に人気です。
ロフトベッド(組合櫃): 天井が高い物件(3メートル以上)では、上部にベッド、下部にデスクやクローゼットを配置する家具を特注するのが定番です。
折りたたみ家具: 壁に収納できるベッド(マーフィーベッド)や、広がるダイニングテーブルは、香港生活の必須アイテムと言えます。
5. 失敗しない物件選びのチェックポイント
間取り図(フロアプラン)を見る際に、必ず確認すべき項目です。
梁(はり)の位置: 香港のビルは構造上、太い梁が部屋の真ん中を通っていることがあります。家具の配置に大きく影響するため、図面の点線を確認しましょう。
エアコンのタイプ: 「窓型(Window Type)」か「セパレート型(Split Type)」か。窓型は安価ですが音が大きく、外の空気も入りやすいため注意が必要です。
方角と湿気: 香港は湿気が非常に強いため、風通しが悪い間取りはカビの原因になります。特に北向きの低層階は要注意です。
まとめ
香港のマンション間取りは、限られた空間をいかに効率よく、かつ快適に使うかという知恵の結晶です。
数字上の広さ(sq.ft.)だけに惑わされず、窓台の活用法や収納の工夫を凝らしたレイアウトを見極めることが、香港での快適な生活への第一歩となります。内見の際は、ぜひ「家具を置いた後の動線」を具体的にイメージしてみてください。