サウジアラビアの住居事情|移住・駐在前に知るべきコンパウンド生活と家賃のリアル


近年、国家改革プロジェクト「ビジョン2030」により、急速な変貌を遂げているサウジアラビア。ビジネスチャンスを求めて移住や駐在を検討する方が増えていますが、最も気になるのが「住まい」の確保ではないでしょうか。

「砂漠の国の家ってどんな感じ?」「外国人はどこに住むのが安全?」「家賃の相場や独特のルールは?」

サウジアラビアの住環境は、日本の常識とは大きく異なります。この記事では、現地での生活を左右する「コンパウンド(外国人居住区)」の実態から、最新の不動産事情、賢い家探しのコツまで、余すことなく解説します。これを読めば、サウジでの新生活をスムーズにスタートさせる準備が整います。


1. 外国人移住者のスタンダード「コンパウンド」とは?

サウジアラビアで働く多くの日本人が選択するのが、**「コンパウンド(Compound)」**と呼ばれる gated community(ゲート付きコミュニティ)です。

コンパウンドが選ばれる理由

  • 高いセキュリティ:周囲を高い壁で囲まれ、入り口には武装警備員が配置されています。

  • 欧米スタイルの生活:敷地内ではサウジアラビアの厳格な宗教的ルールが緩和されていることが多く、女性がアバヤ(黒いマント)を着ずに歩けたり、ジムやプール、カフェなどの施設を自由に利用できたりします。

  • 日本人コミュニティ:大規模なコンパウンドには日本人が多く居住している場所もあり、情報交換や交流がしやすい環境です。

設備の充実度

高級コンパウンドになると、敷地内にスーパー、レストラン、テニスコート、さらには幼稚園まで完備されている「一つの街」のような場所もあります。


2. 【2026年最新】サウジアラビアの家賃相場とエリア比較

現在、リヤドを中心に不動産価格と家賃は上昇傾向にあります。特に首都リヤドの北部エリアは需要が集中しています。

1ヶ月あたりの家賃目安(リヤドの場合)

住宅タイプ費用目安(サウジリヤル:SAR)日本円換算(参考)
高級コンパウンド(ヴィラ)15,000 - 30,000+約60万 - 120万円以上
一般向けコンパウンド(アパート)7,000 - 12,000約28万 - 48万円
市内の一般アパート(2LDK)3,000 - 6,000約12万 - 24万円

都市別の特徴

  • リヤド(Riyadh):政治・ビジネスの中心。最も家賃が高く、良質なコンパウンドは「数ヶ月〜1年待ち」ということも珍しくありません。

  • ジェッダ(Jeddah):商業都市で海に近い。リヤドに比べると少し開放的な雰囲気があり、家賃はリヤドより20〜30%ほど抑えられる傾向にあります。

  • アル・コバール / ダンマン(東部州):石油産業の拠点。バーレーンへのアクセスも良く、外国人向けの住宅が非常に充実しています。


3. サウジアラビア独特の住宅構造と文化

サウジの住宅には、厳しい気候やプライバシーを重んじる文化に基づいた特徴があります。

  • 窓が小さく、壁が厚い:強烈な日差しを遮り、砂嵐から室内を守るための知恵です。

  • 「男女別」の間取り:伝統的な家屋では、男性ゲストを招く部屋(マジュリス)と、家族や女性が過ごすエリアが完全に分かれています。

  • プライバシーを守る高い塀:庭やプールが外から見えないよう、2メートル以上の高い塀で囲まれているのが一般的です。


4. 失敗しないための家探しと契約のポイント

サウジアラビアでの契約トラブルを避けるために、以下の3点は必ず押さえておきましょう。

① 「Ejar(エジャール)」登録の確認

サウジアラビアでは、賃貸契約はすべて政府のオンラインシステム「Ejar」に登録することが義務付けられています。これに登録されていない契約は法的保護を受けられないため、必ず公式な手続きを踏むようにしてください。

② 年払いが基本の支払い習慣

家賃の支払いは「1年分一括」または「半年分」が主流です。月払いに対応してくれる物件は非常に稀で、あっても割高になります。まとまった資金の準備、または会社による立替制度の確認が必要です。

③ 光熱費とメンテナンス

サウジアラビアは電気代が比較的安価ですが、夏場はエアコンを24時間フル稼働させるため、予想外の出費になることも。コンパウンドの場合は「光熱費込み」の契約になっているかを確認しましょう。また、水回りのトラブルが多いため、管理会社の修理体制も重要なチェックポイントです。


5. 【注目トピック】外国人の不動産購入が可能に?

2026年1月より、サウジアラビア政府は外国人の個人による不動産所有を大幅に解禁する新法を施行しました。

これまで特別な居住許可(プレミアム・イカマ)保持者に限られていた不動産購入が、一定の条件下で一般の外国人にも認められるようになり、投資先としても注目を集めています。長期的滞在を予定している場合は、賃貸だけでなく「購入」という選択肢も現実味を帯びてきています。


6. まとめ:理想のサウジライフを手に入れるために

サウジアラビアでの住居選びは、単なる寝場所探しではなく、「生活の質」と「安全」を買うプロセスです。

  • 家族連れや初めての海外赴任なら:まずは予算を確保して、サービスが充実したコンパウンドを第一候補にするのが無難です。

  • コストを抑えたい、現地の文化に触れたいなら:セキュリティのしっかりした最新の単体アパート(アパートメント)を探しましょう。

サウジアラビアは今、世界で最もダイナミックに変化している国の一つです。自分に合った住まいを見つけることで、このエネルギッシュな国での滞在はより一層素晴らしいものになるでしょう。